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【韓国むかし話】牛になった人

 昔、昔、ある所に働くのがとても嫌いな怠け者が住んでいました。

 どれほど働くのが嫌いか、三十歳を過ぎるまで、鎌一つ持ったことがなく、背負子一つ担いだことがありませんでした。



 ある年の春でした。

老いた母親が朝早くから田植えをしているとき、この怠け者は、一日中、板の間でごろごろしていました。

 母親は、あまりにぐうたらな息子を見て言いました。

 「若い者が、なまけてばかりで一体どうするつもりだ?」

 すると、怠け者は、

 「また、あのうんざりする小言。あの声を聞くくらいなら、いっそ家を出てしまおう」

と言って、そのまま荷物をまとめて家を出てきてしまいました。



 怠け者がしばらく行くと、峠道が現れました。峠道の上には、小さな小屋がありました。小さな小屋の前では、見知らぬ老人が何かを作っていました。

 怠け者は、老人に歩み寄ってたずねました。

 「何を作っているのですか」

 見ると、それは牛の頭の形をした仮面でした。

 「牛の頭の仮面ですね。それを何に使うのですか」

 すると、老人が初めて口を開きました。

 「働くのが嫌いな人にかぶせるのさ。そうすれば、とてもよいことが起きるのだ」



 「働くのが嫌いな人によいことが起きる」という老人の言葉に、怠け者はぴくりと耳をそばだてました。そして、仮面に手をふれながら

 「一度、かぶってみてもいいですか」

と聞きました。

 「かぶってみなさい」

 老人は、快く仮面を差し出しました。

 怠け者は、老人が差し出した仮面を頭にかぶって言いました。

 「ぴったりです」

 「それなら、これもまとってみなさい」

 老人は、下に敷いていた牛の皮を取って、さっと怠け者にかけてあげました。すると、どうしたことでしょう。怠け者は、みるみる本物の牛になってしまいました。

 「うわっ! これは、いったい何だ!」

 怠け者はあわてて体をゆすって大声を上げました。ところが、不思議なことに、少年が叫び声をあげると、その声は、すべて「モウ、モウ」という鳴き声になって出てきました。

 老人は、怠け者の首に綱をかけて言いました。

 「そりゃ、さあ行くぞ」

 「何をするのですか! 早くこれを脱がしてください」

 怠け者は首を振って抵抗しました。

 「この牛め、なぜ言うことを聞かない」

 そう言って、老人は、怠け者の尻を何度もたたきました。怠け者は、しかたなく、老人が引っ張るほうに引かれていきました。



 怠け者は、市場に引かれていきました。

 人々が集まってきて、怠け者の背中をたたいてみたり、口の中を調べてみたりしました。怠け者は、激しく頭を振りまわして大声を上げました。

 「何をするのですか! 私は牛ではなくて人ですよ!」

 しかし、怠け者の叫び声は、人々には、「モウ、モウ」という鳴き声にしか聞こえませんでした。

 一人の農夫が、老人に声をかけました。

 「荒々しい牛だが、元気があっていい。この牛をもらうことにしよう」

 老人と農夫は、値段の交渉を始めました。値段の交渉が終わると、老人は、怠け者を農夫に引き渡しながら言いました。

 「この牛は、大根を食べると死んでしまうので、絶対に大根畑には連れていかないでください」

 農夫は、

「変わった牛もいるものだな」

と言って、怠け者を引っ張って家に帰っていきました。



 その日から、怠け者は、休みなく働きつづけました。スキを引っ張って畑を耕したり、背中に穀物をのせて運んだり、荷物がのった荷車を引っ張ったりしました。

 そのようにして、朝早くから日が暮れるまで、少しも休まずに働かされました。怠け者は、あまりにつらくて叫びました。

 「もしもし、私は、牛ではなくて人ですよ!」

 しかし、何を叫んでも、「モウ、モウ」という牛の鳴き声にしか聞こえない農夫は、

 「この牛め、仕事の最中にどうしたのだ?」

 と言って、手綱でしきりに怠け者をたたきました。怠け者のひづめは割れ、首と背中にはあざができました。



 怠け者は、これまで仕事もしないでぶらぶらしていたことを心から後悔しましたが、今となってはどうしようもありません。

 怠け者は、いっそ死んでしまいたいと思いました。その時、ふと、老人が農夫に言った言葉を思い出しました。

「この牛は、大根を食べると死んでしまう」という言葉でした。

 怠け者は、農夫がよそ見をしている間に、大根畑に入っていきました。そして、すぐに大根の葉っぱを口にくわえて引き抜き、むしゃむしゃと大根を食べ始めました。

 「あれまあ、この牛は。大根を食べると死んでしまうというのに!」

 すぐに牛を追いかけてきた農夫は、ぼうぜんと立ち尽くしたまま、大根を食べている牛をぼんやりと見つめました。

 大根を食べ終わった怠け者は、早く死ぬことばかりを考えました。ところが、どうしたことでしょう。

 突然、体がむずむずしてきたかと思うと、牛の仮面と皮がどんどん脱げていくではありませんか。

 「えっ、あなたは誰ですか!」

 人間に戻った怠け者を見て、農夫は、驚きの声をあげました。怠け者も、自分の姿に驚きました。

 怠け者は、これまでの出来事を農夫に話しました。農夫は、怠け者の話にしきりにうなずきました。

 人間の姿に戻った怠け者は、家に帰っていきました。



 家に帰る途中、怠け者は、老人が牛の仮面をつくっていた小さな小屋を探してみました。

 しかし、小さな小屋は、跡形もなく消え去っており、そこには、怠け者が家から持ってきた荷物だけが、ぽつんと置かれていました。

 その後、怠け者は働き者になり、母親の面倒をよく見て暮らしたそうです。


 終
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